就労継続支援A型の利益重視の雇用やグレーな加算…それってアリ?

2020年3月24日

※就労継続支援A型事業所の中でも、極一部の話であり、既に倒産した会社の行いも含むことをご了承ください。

また、個人的感情が多いに含まれるため、若干事実と異なる部分があるかもしれないことをご了承ください。

就労継続支援A型に限らず、世の中様々な業界で技を使って本来100円の利益のところを120円、130円と儲けているたちがいます。
オブラートに包んで「技」と表記しておりますが、
・うんうん、これは技だよね。と思うものから
・「セーフなの?」「バレなきゃいいの?」と思うものまで
様々な「技」があります。
今回はそんな「技」を感情にまみれながら紹介していきます。

 

 

”技”の内容

・労働時間は1日4時間。労働日数は週5日

・マンションの隣の部屋で5分作業すれば施設外就労

・歩いて50m先(同一敷地内)でも送迎すれば送迎加算

・普通の弁当屋の弁当を食べているのに食事提供加算?

・賃金向上する気あるの?賃金向上達成指導員配置加算

・利益100円の商品を1時間に5個作って時給800円?親会社からの請負業務

 

就労継続支援A型の利益重視の雇用やグレーな加算…それってアリ?

労働時間は1日4時間。労働日数は週5日


就労継続支援A型の求人を見てると、”1日4時間~、週5日勤務”が非常に多いと思いませんか?

 

2017年度までは基本報酬の算定方法の原則として、「1日の利用時間は5時間以上」となっていました。(5時間未満の場合減算を食らう)

 

また、特定求職者雇用開発助成金というものがあり、週20時間以上労働した場合に2年間で満額80万円事業所に支給されます。

 

 

1日の”利用時間”は5時間以上 →  4時間労働+休憩1時間=5時間でクリア

週20時間以上の”労働”    →  1日4時間労働×週5日の20時間でクリア

 

…と、障害者に支払う給与は最低ラインで満額の助成金を手に入れることとなるのです。

 

そのため、労働条件としてそういったものを提示している事業所が多くあります。

 

2018年度より、報酬改定があり、若干仕組みは変わったものの1日4時間労働、週5日の仕組みが利益が最も出やすいということは変わらず、現在もそういった事業所が多くみられます。

 

 

 

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マンションの隣の部屋で5分作業すれば施設外就労

施設外就労とは、取引先と請負契約をし、業務委託を受け、その業務を取引先企業内で行うことを言います。

 

 

TIPS:施設外就労の上手な使い方

障害者の直接雇用が心配な企業に対し、支援スタッフと障害者のユニットで業務を請け負います。

施設外就労として、企業の中で業務を行います。業務を通して障害者を知り、企業と利用者のニーズがマッチしたら直接雇用へと繋げます。

その結果、就労後も定着しやすい理想の流れを作ることができる非常に一般就労・定着へ繋がりやすい仕組みとなっています。

 

 

働く利用者も、一般の企業の中で合理的配慮や障害特性に応じた支援を行えるスタッフと共に仕事をすることで、成長し、一般の中で働くという自信にもつながります。

 

施設としては、1日1人あたり1000円の加算が付与されます。

 

と、このような使い方を行うのが本筋だと思いますが、「技」を使うA型事業所が何をするかというと、マンションの隣の部屋にある親会社の窓拭きを5分して施設外就労とする。等といったありえないことが行われていたりします。

 

 

なぜそんなあほみたいなことができてしまうのか

 

「取引先(親会社)と請負契約をし、業務委託(窓拭き)を受け、その業務を取引先(親会社)企業内で行う」

という解釈の元施設外就労の条件をクリアーしているためです。

 

例えば、1日の労働時間のうち70%以上を施設外就労先にて過ごさなければいけない。等の制約があるだけでそういったことは行えなくなるのですが、現行制度にそういった制約はありません。

 

なので、不正…ではなく、「技」になるのでしょう…。

 

 

歩いて50m先(同一敷地内)でも送迎すれば送迎加算

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送迎加算とは、通所される障害者をバス等で送迎するととれる加算です。

 

自力で通所することが困難な障害者の方向けのサービスに対する加算です。

平成29年度までは、歩いて数十メートルの同一敷地内であっても送迎を行えば加算が取れていました。

 

平成30年度に報酬改定を行い、同一敷地内の送迎については、所定単位数の70%を算定する。

 

と、変更になりました。同一敷地内送迎を必要とするレベルの人は果たして就労継続支援A型適用なのか…と考えたりもしますが、そこはいろいろな事情を負っている可能性もあるため除外します…。

 

特殊な例もあるでしょうし、取りこぼししないという点ではありなのですかね。

 

ただし、厚生労働省からは以下のように告げられています。

 

就労継続支援A型における送迎については、雇用契約を締結していることや利用者の知識や能力向上のために必要な訓練を行うという観点から、事業所へは利用者が自ら通うことを基本としていることを改めて徹底する。

 

利用者さん本人が自分の力で通所しなければいけないんでしょうが、送迎サービスあるところだとご家族の方も安心なのか希望が多いのが実態となっています…。

他にも、送迎ルート上だからといって、自力で通所できても送迎サービスを受ける人もいたりします。

 

 

 

 

 

 

コピペでいいの?欠席時対応加算


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欠席時対応加算とはあらかじめ利用を予定していた日について、急病等により欠席したときに、利用者またはその家族等との連絡調整その他の相談援助を行うとともに、利用者の状況、相談援助の内容等を記録した場合に算定します。 

   参考:福祉ソフト

 

 

欠席連絡があった際に、事業所は状況や援助内容を記録しなければいけません。

欠席連絡に対応する人=記録者であれば、対応したことをそのまま記録するだけでも十分なものとなります。

ただし、欠席連絡に対応する人≠記録者であった場合や、記録者が記録に対して意識を向けていない事業所では以下のようになるケースがあります。

 

 

 

2月1日

〇〇さん、体調不良のため休み。熱は微熱とのこと。きちんと睡眠時間を確保し、体調を整え、翌日以降出勤できるように促す。

2月8日
〇〇さん、頭痛がするため休み。熱は微熱とのこと。きちんと睡眠時間を確保し、体調を整え、翌日以降出勤できるように促す。
2月15日
〇〇さん、頭が痛いため休み。熱は微熱とのこと。きちんと睡眠時間を確保し、体調を整え、翌日以降出勤できるように促す。

 

この状態では、きちんとした支援が行われているか全く判断がつきません。

しかし、ノーチェックor必要な文章があればOKという考えの事業所があるため、このようなことがまかりとおります。

 

欠席時加算は94単位・・・940円ぐらいです。急な欠勤をする利用者も悪いし、業務の調整も含まれるため、対応する事業所の方はすごく大変なんだろうな、とは思いつつも、電話受けて、コピペはって940円はちょっとあんまりな気がします。

 

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普通の弁当屋の弁当を食べているのに食事提供加算?


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食事提供加算とは
食事提供体制加算は、低所得者等である利用者(以下、低所得利用者という。)に対して、事業所の責任において、利用者に対する食事の提供のための体制を整えている場合に、一日につき所定の単位数を加算するもの。

 

 

食事提供体制加算とは、”利用者さんに食事を提供したら加算がもらえますよ~”というものなのですが、細かい要件があります。

 

 

食事提供体制加算の要件
次のいずれかを満たす場合に算定することができる。
① 当該事業所に従事する調理員が調理室を使用して調理し、提供されている場合
② 食事の提供に関する業務について、第三者と業務委託契約を締結しており、当該事業所の最終的責任の下で食事を提供している場合
※ 事業所外で調理されたものを搬入し、提供する場合には、クックチル、クックフリーズ若しくは真空調理(真空パック)により調理を行う過程において急速に冷却若しくは冷凍したものを再度加熱して提供するもの又はクックサーブにより提供するものであって、運搬手段等について衛生上適切な措置がなされている場合に限り認められる。

 

<食事提供体制加算の算定対象とならない事例>
・出前等により食事の提供を行う場合
・出前等による食事を温め直して提供を行う場合
・主食のみを事業所内で調理し、それ以外のものについては出前等で提供を行う場合
上記要件を簡単に説明すると、

・3℃~-18℃で保存された食事(クックチル、クックフリーズ)を事業所で再加熱して提供

・加熱調理後すぐ提供される食事(クックサーブ

 

のどちらかであれば加算が取れ、出前等の加熱調理後時間が経過したものは加算要件から外れます。

 

 

しかし、現実として、弁当屋から弁当を仕入れて食べているにも関わらず加算をとっている事業所があります。

 

なぜか?弁当屋がうちはクックサーブですと謳っているからです。

 

もちろん、弁当屋の中には本当にクックサーブの弁当屋もありますが…。

(ひでかつ給食さんなんかはそうです。)

 

実態として、どのぐらいの比率かまではわかりませんが、そういった事業所があるのも事実です。

 

食事提供体制加算については毎年度毎年度廃止の検討をしているぐらいなので、そのうちなくなってしまうかもしれませんが…。

 

真面目にクックサーブをやっている弁当屋さんが可哀そうですね。

 

 

 

賃金向上する気あるの?賃金向上達成指導員配置加算


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賃金向上達成指導員加算とは

①賃金向上達成指導員(常勤1名以上)を配置

②賃金向上計画を立てる

③利用者のキャリアアッププランやキャリアアップ階層

上記3件の要件を満たすことで加算されます。

 

 

賃金向上達成指導員の本来の役割

・営業活動、生産工程の見直し

・新規事業や商品の開発等を行う

・業務の効率化、販路拡大、新規売上の確立

上記のような活動を行い、利用者の賃金を向上させることを目的とします。

 

 

時給単価で上げることができなくとも、労働時間を増加させることで総賃金が上がってもよいとされます。

 

要は障害者に払う月額平均賃金を上げてくださいね。というものです。

 

で、これなんですが、②賃金向上計画って、経営改善計画とすごく似たものを提出します。

 

経営改善も、賃金向上も、大元の考え方として生産活動収支を上げることを目的とするためです。

 

それも、あくまで”計画”なので達成できなくともお咎めはありません。

 

①については、新規雇用で賃金向上達成指導員を雇う事業所であれば有用な活用ができますが、人員配置基準的に指導員が余っている事業所で、指導員を賃金向上達成指導員に配置換えするケースがあります。

 

その場合、その方が行っている業務はほぼ現場業務となり、名目だけの達成指導員の完成となります。

 

 

③が最も問題で、ここに制約は一切ありません。

極端な例を出すと、

 

・利用者が大型運転免許を取得し、大型トラックでの運搬業務を可能とした場合に時給を10円上げます。

勤続5年間で適正な出勤を行っていたと人事が認めた場合時給10円上げます。キャリアアップです。

 

と謳っていても、通る可能性があります。(行政の担当者がしっかりしていれば防げますが、似た事例で通っていた事業所があります)

 

 

賃金向上達成指導員配置加算は、定員20人の事業所であれば1日72単位×人数となり、20人在籍していれば月に29万弱もの大金が振り込まれます。

 

営業専門の正社員が1名ぎりぎり雇えるぐらいの金額になります。

 

それほどの助成金を支給されていながら、活動を殆ど行わず、最低賃金からキャリアアップのない事業所があります。

 

もちろん昨今の最低賃金の上昇率から考えると、最低賃金で障害者雇用を行っているA型事業所がさらに利用者の賃金アップを行い難いという側面もあるでしょうが・・・ぜひとも頑張ってほしいものです。

 

 

 

 

 

利益100円の商品を1時間に5個作って時給800円?親会社からの請負業務

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生産活動収支≧賃金というのはA型事業所として守らなければいけないルールとなっており、生産活動収支<賃金の場合は経営改善計画書を提出し、改善しなければなりません。

 

そもそも上記要件の趣旨として、タオル折りや割りばしの袋詰め等の売上の乏しい業務に従事させることを就労継続支援A型事業所では推奨しません。

 

きちんとした売上利益を稼げる生産活動を障害者が行い、労働に対する正当な対価を事業所が支払うという流れを作らなければなりません。

 

しかし、親会社が「とりあえず助成金が1人あたり1日6、000円ほど入るから、利用者を1日売上500円ぐらいの業務で働かせても利益が出るだろう」と見込んで事業を行っている就労継続支援A型の場合、上記要件を満たすことは業務形態を大幅に変更することを余儀なくされ、対応できない場合があります。

 

その際に、親会社からの委託業務として、例えば1個作ったら100円しか利益の出ない商品なのに1個作成するとA型事業所に160円払いますと請負業務契約を締結し、その通り支払うやり方を行います。

 

A型事業所の視点”のみ”で考えると、5個作れば800円の生産活動収益が得られますから、利用者が1時間に5個作れば十分に賃金が支払える体制となります。

 

親会社とすれば、親会社が多少痛手をおったとしても子会社が利益を得ればトータル収支が増えるため、問題ありません。

(このケースの場合、大体子会社の代表=親会社の代表もしくは同族経営でし)

 

この手法を取り入れると、極端にいえばタオル折りだろうが、はしの袋詰めだろうが、どんな仕事であっても問題ないとなってしまいます。

 

そもそも、A型事業所は障害者の訓練のためにあるにも関わらず、そういった業務をさせていることに矛盾を感じてほしいのですが…。

 

実際儲かってしまうのでやめられない事業主もいるのでしょう…。

(今抱えている従業員の生活をどうするんだ?などの話もあるでしょうし…)

 

 

最後に


ここまで記載したものは、おそらく違反となるものはないと思われますが、やはり個人的には納得がいかないなぁと思うものばかりです。

 

大きい枠で考えますと、適正でない加算を取得し利益を得ている事業主の影響で、国庫を消費していると捉えることもできなくはないです。

 

結果として、本来支援を必要としている人に行き届かない可能性もあります。

 

国も検討チームで毎年協議しており、送迎加算のように徐々に改正されて最適化が図られていくのだろうとは思います。

 

願わくば、悪質なA型事業所のせいで頑張っているA型事業所まで苦しめられることがないことを祈ります…。

 

 

 

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