就労支援A型が施設外就労で生き残るには、企業に必要とされなければいけない

2020年4月1日

就労継続支援A型。3年程前に省令が厳しくなり、利用者は最低賃金以上の利益を稼ぐことを目指さなければならなくなりました。

 

その結果、利益増加を必死の課題と持つA型事業所がここ数年で爆発的に増えてきています。

 

今回はその”利益”の中でも、比較的最低賃金を稼ぎやすい”施設外就労”にフォーカスして記事を書いていきます。

(下の枠内分類でいえば②にあてはまります)

 

 

TIPS:売上を立てる手段

①自社製品を売る

(自社工場、弁当、飲食店、農業…等)

②他社から業務委託を受ける

(清掃業、ベッドメイキング、事務委託…等)

 

 

本記事の内容

 だらだらと就労支援A型の施設外就労について書くだけ

 

 

就労支援A型が施設外就労で生き残るには、企業に必要とされなければいけない

施設外就労で生き残るには”仕事の受注方法”が肝心

 

施設外就労とは、企業から業務委託を受けて”企業先”で働くことを言います。

企業から業務を受けて”自社内”で働く場合は施設内就労となります。

 

 

TIPS:施設外就労で行われている仕事(例)

・清掃

・介護施設の雑務

・事務作業

・ベッドメイキング

・工場作業(部品組み立て、ライン等)

 

 

では、施設外就労で生き残れないケースを、具体例と共に見ていきましょう

 

 

切られやすい仕事の受注方法① 社会貢献で障害者にお仕事を…といって受注する

 

この受注方法、実は結構多くの福祉施設でありがちです。

 

もちろん、就労支援事業所に仕事を委託することは社会貢献になります。 (私は微妙な気持ちですが、一般的にはそうみたいです)

 

特に非営利型の法人(社会福祉、NPO法人等)だと、社会貢献イメージも高いため、企業にとっては【業務委託=社会貢献PR】になります。

 

社会貢献を目的とした業務委託の場合、会社がA型事業所の”作業能力”を必要としていない場合が多々あります。

 

作業を目的とせず、ぼんやりと曖昧な業務委託を行うと、どうでもいい仕事や、よく考えたらやらなくてもいい仕事をなんとなく回してしまうことになります。

 

その結果、精査されてしまうと会社にとって無駄なコストとなり、コストカット対象になります。

 

そのため、社会貢献を目的として業務を受注すると不況に伴い失注に繋がりやすいのです。

 

 

切られやすい仕事の受注方法② 障害者にできそうな仕事を受託

 

障害者にできそうな仕事というと、どんなイメージを持ちますか?

 

障害者に関わっていない人たちにとって、障害者にできそうな仕事=非常にレベルの低い仕事といったことが多いです。

 

 

・単純かつ単一作業の繰り返し

・急に休んだとしても問題がない仕事

・誰でも代わりに出来る仕事

 

顕著な例でいうと、製造過程のボトルの蓋閉め(だけ)、数年前の書類整理、倉庫の片付け、(今まで誰もしていなかった)清掃…等があてはまります。

 

 

障害者にできそうな仕事を受託すると、どうなるのか?

 

 結果1:それ、障害者の直接雇用でいいのでは?


 

障害者にできそうな仕事をA型事業所に委託しても、障害者雇用率UPにもなりませんし、助成金も出ません。

 

障害者を直接雇用すれば、小規模であれば助成金の取得、それなりの大きさの会社であれば法定雇用率カウントになります。

 

障害者ができそうな仕事を抱えているのであれば、企業はそのうち障害者を直接雇用すればいいのでは?と考えます。

 

※ここで非常に重要な戦略として、A型事業所が撤退し、現場で働いている障害者を直接雇用してもらうという方法があります。

その場合、理想的な流れでもあるため、仕事は失いますが非常に良い事例になります。

 

 

 結果2:それ、B型事業所でいいのでは?


 

A型事業所は利用者の最低賃金分の売上を稼がないといけなく、B型にその縛りはないため施設外就労単価はA型>>B型です。

 

そのため、B型の利用者であっても指導員と共に作業を行える状態であれば、B型事業所に依頼した方が同じ社会貢献にもなった上で安く上がります。

 

現在就労支援事業の知名度が低く、A型とB型の比較をする企業も少ない為そういったことは殆ど起こりませんが、(委託先を変えるのも結構会社の人の負担も大きい)

 

今後知名度が上がり、B型でも仕事ができるところが頭角を出してくるとA型とB型で比較されてきます。

 

 

もし切られやすい仕事を受注しているなら…

・障害者にできそうな仕事からスタートしたとしても、徐々に仕事の幅を広げていく(できることに取り組む)

・仕事に対して真摯に向き合い、非常に高い品質を保持し、高い効率向上意識を持つ。

 

これらの意識を事業所、指導員、利用者が持つことで、切られやすい仕事からスタートしたとしても企業にとって必要な戦力となります。

 

また、A型事業所が確実な仕事を行っていれば、その働きを認め新規業務の依頼をかけてくれたりします。

 

あそこは、就労支援で障害者が働く。多少スピードが遅かったり指示が面倒かもしれないが、仕事を任せると出来上がりは健常者と遜色がないレベル。と思わせたら勝ちです。

 

 

 

 

企業先に入りこみ、従業員に楽をさせ、手放せなくさせる

 

言葉のチョイスが非常に悪いですが、施設外就労の安定方法の1つです。

 

人間、良し悪し問わず環境に慣れていく生き物です。

 

しんどい仕事を繰り返しすれば、体と心が慣れてきてそれが当たり前になるのと同様に、楽を覚えると慣れてしまうものです。

 

「A型事業所が入ると楽になった」

 

これを目指すことで仕事の安定化に繋がります。

 

 

プロになれないのであれば、なんでも屋を目指す

A型事業所には、プロの技術を持っていないところが多くあります。

 

福祉の心得もあり、かつ技術もあり…と二足のわらじはなかなかありませんよね。

 

では、どうすればいいのか。清掃を例に挙げて考えてみます。

 

企業から清掃業務を委託されたとします。

 

 

TIPS:委託業務では大きく分けると以下の2つの委託方法があります。

①時間区切りの委託(8時~12時の4時間やってね。みたいなもの)

②出来高区切りの委託(8時~15時の間時間はかまわないから該当フロアの床を全てやってね。みたいなもの)

 

 

今回は時間区切りの委託を例にします。

 

時間区切りで契約した場合、最初の頃は決められた仕事をすることで手一杯で、時間もいっぱいいっぱいかもしれません。

 

しかし、入って数か月、半年、1年とたつうちに仕事に慣れてきて少なからず余剰時間ができてきます。

 

その余剰時間の使い方が非常に重要で、企業からお願いされたことがあったりすれば出来る限りやるべきです。

 

普段やっていない場所の追加清掃等の清掃だけでなく、荷物運びのお手伝いや、書類のファイリング等、なんでも手伝いましょう。

 

 ここで、受諾した仕事の範囲外の仕事はしてはいけません!と言っていると成長がなくなります

 

そうすることで、企業から”ここは清掃だけのカッチリしたところではなく、色々な仕事をしてもらえるんだな”と思われます。

※もちろん仕事受注時の打ち合わせで事前にA型事業所がその旨提示しておかないと独断行動になるため注意

 

それを繰り返していくと、

 

「〇〇の掃除、今日はしなくていいから〇〇してくれない?」

 

と依頼されることが出てきます。

 

つまり、会社にとって重要度の高い仕事を受諾できるようになるのです。

 

そうなればしめたもので、そうやって深く深く会社の中に入り込むことで、絡みつき、抜け出せなくさせることができます。

 

 

 

企業の従業員がやりたくないことをやる

 

人によってやりたくないことは様々です。

 

 

・同じ作業の繰り返しを1日中するのは嫌だ

・力仕事、肉体労働は嫌だ

・手先を使った細かい作業をずっとするのは嫌だ

・極端にレベルの高い正確性を求められるのは嫌だ

・出社直後から汗をかくような仕事は嫌だ

・出社直後から頭を使うような仕事は嫌だ

・誰でもできるような仕事をするのは嫌だ

 

 

はい。それ、やりましょう。

 

あなたの嫌だと私の嫌だは違います。

 

企業の従業員にとって嫌だ。な仕事を率先して受託しましょう。

 

別に汚い仕事、きつい仕事を取ろうというわけではありません。

 

汚い、きつい仕事は取るにしても、実行できるのか?と検討し、可能であっても高い単価設定で取得すべきですね。

 

ここで注意なのですが、力仕事が嫌な障害者に力仕事をやってもらっては意味がありません。

 

長続きするように、嫌じゃない人に仕事を行ってもらうことが大事です。

 

つまり営業はそういった人がいると分かった上で受託するのが理想ですね。

 

 

人が入れ替わったらできなくなる懸念は足止めされるのではなく、対策で解決しよう

 

今までの話で、必ず付いて回る意見があります。

 

「なんでも請け負ったら、仕事がいっぱいになって大変だし、人が入れ替わったらできなくなるからダメでしょ」

 

といった意見です。

 

確かに正論です。なんでも請け負ってしまうと、人が入れ替わったらできませんとなってしまう。そうなると企業にも迷惑をかけてしまいますね。

 

しかし、その論調で話を進めていくと、行き詰ってしまいます。

 

急に人がいなくなってもいいような、新しく入った人がすぐできるような、いわゆる”誰でもできる仕事”だけ請け負うの?となるわけです。

 

そんな事業所では不況になると真っ先に破綻してしまいますよね。

 

なので、対策を立てるべきです。どんどん困難にぶつかっていけばいいと思います。

 

相手企業に迷惑をかけたくないなら必死こいて後任育成をすればいいのです。

 

資格が必要な業務を依頼された場合は、〇〇さんがいる間だけならばできます。といって請け負ってもいいと思います。

 

施設外就労で生き残るには、それぐらいしないと厳しいです。

※この際に、後任育成が難しい業務を請け負う場合は、口約束ではなく必ず書面で契約を結びましょう。