『悪しきA型』…その基本戦術と具体例

「悪しきA型」という言葉を聞いたことがありますか?

A型事業所は昔、「素人でも誰でも簡単に運営出来て高利益、早期の開業費回収が可能!」等と謳われている時期があったそうです。

今回はそんな過去の出来事と、「悪しきA型」について解説していきます。

 

 

本記事の内容

・「悪しきA型」の共通点と戦術

・「悪しきA型」の戦術具体例

・「悪しきA型」に通い続けるリスク

・「悪しきA型」乱立の陰にコンサルタント

 

『悪しきA型』…その基本戦術と具体例

「悪しきA型」の共通点と戦術

 

悪しきA型の共通点

悪しきA型については、”NPO法人「共同連」”が悪しきA型について考える会を開いたりと、周知活動を行っています。

 

5ch A型事業所・A型作業所 スレより抜粋

■NPO法人『共同連』が挙げる「悪しきA型事業所」の6つの共通点

1. 1日1~4時間の短時間の仕事しか障がい者にさせない。
2. 仕事は簡単な手作業で最低賃金以上の収益があがる仕事ではない。
3. 株式会社が母体になっているところが多い。
4. 給付金や助成金から最低賃金が払われている。
5. 設備や就労支援の職員体制が貧弱である。
6. 障がい者の働きたい思いに応えていない。

 

 

「悪しきA型」とは、株式会社等の”営利団体”が、母体となる事業がないにも関わらず”訓練等給付費(助成金)目当てで事業を立ち上げる”ケースのことを言います。

 

 

「悪しきA型」の戦術と、行政の対策

・職員人件費をかけないため、安い金額で集まった素人同然の職員を最低ラインで配置

➡【2020年現在】特に対策なし

 

・障害者人件費をかけないため、助成金満額支給ぎりぎりの4時間労働+1時間休憩で雇用

➡【2020年現在】報酬改定にて”労働時間毎に助成金が変動”する仕組みで対策が施された

 

・特定求職者雇用開発助成金が切れる2年目以降に自主退職を促し辞めさせる

➡【2020年現在】3年以内に退職させるとカウントになるよう対策されているが、3年目以降は保証なし

 

・一般就労は助成金が殆どでないため支援しない

➡【2020年現在】報酬改定にて”就労者数×助成金”と対策が施された

 

 

悪しきA型の戦術具体例

 

※会社の運営方針で、本当に利用者のことを考えて実施しているケースもあるため、あてはまるからといって悪しきA型とは限りません。

(例えば、一般就労支援については、定着見込みがない状態では事業所が応援せず、訓練を継続することを推奨するなどがあります)

 

 

悪しきA型の戦術具体例

・労働時間が4時間+休憩時間が1時間

・仕事内容が内職同然のものしかない。もしくは仕事がない

・施設内就労と施設外就労の内容が一緒(場所を変えただけ)

・にも関わらず施設外就労>施設内就労人員

・一般就労したいといっても個別支援計画書に一般就労を目指すための訓練が入らない

 

 ちょっと一息

 

・辞めたいといっても3年間は働いた方がいいと言われなかなかやめられない

・職員がすぐやめる。サビ管も時々辞めたりする

・問題行動を起こした時、「あなたはここにいてもらったら困る」と言われるが、解雇はされない(自主退職しかさせない)

・休みたいといったら「とりあえず30分だけでも作業してから帰ろう」と言われる

・土曜日に時々謎の出勤がある(殆ど仕事はせず、4時間もしくは短時間で帰宅)

・突然休む人、早退ばっかりする人、遅刻ばっかりする人が周りにたくさんいる

・仕事がない時間が多く、事務所や玄関の掃き掃除や拭き掃除、トイレ掃除ばかりさせられる

 

条例厳罰化によりここ数年では以下のようなA型も出ています

・突然過剰な肉体労働を行う作業に部署替え

・急に効率化を言い始め、カウントダウンをしながら作業させられる

・きつい、汚い、危険(3K)の仕事を突然始める

・サービス残業や、早出を求められる。休むと激しい叱責を受ける

 

これらは、条例厳罰化により賃金分の売上を稼ごうと突然業務形態を変更したA型にありがちなものです。

 

 

「悪しきA型」に通い続けるリスク

 

 

悪しきA型に通い続けることは、大きなリスクを伴います

・楽なことに慣れ、仕事がまともにできない精神、肉体状態となる

仕事能力や社会性が育たないまま年齢だけを重ねてしまう

・事業形態として、長く続きづらい。どこかで急に退職させられる

 

 

総じていうと、”心身共に不完全で、能力も育っていない状態で年齢だけを重ね、ある日突如仕事を失う…”といったリスクが伴います。

 

そうなってしまうと、就職活動をしても難しく、場合によってはB型事業所等でしか採用されないことも考えられます。

 

 

 

「悪しきA型」乱立の陰にコンサルタント

岡山県では、過去に数百人規模の障害者の大量解雇(事業破綻)があり,一時全国ニュースにもなりました。

 

今回はその中の1つ。とあるグループ会社(以下岡山Aと略します)にフォーカスしましょう。

 

岡山Aは助成金をあてにした事業で、障害者の作業内容は、”封筒入れ”、”果物を包むネットの折り畳み”、等を主とし、事業収益は1人1日数十円程度でした。

 

条例厳罰化に伴い、事業所が経営改善計画書という、”来年度立て直していきます計画”を提出したものの、認められず破綻となりました。

 

岡山Aの事例では、事業所の乱立(急激なチェーン展開化)もあり、裏に経営コンサルタントの手引きがあるのではと評されています。

 

A型事業所は近年10倍以上もの数に爆発的に増えました。

 

また、条例厳罰化後の今でも経営改善の必要のある(最低賃金分売上を稼げていない)事業所は7割にも上ります。

 

「素人でも誰でも簡単に運営出来て高利益、早期の開業費回収が可能!」

 

このキャッチコピーに騙され、設立したA型事業所の数がどれほどかわかりませんが、コンサルタントの動きとA型事業所の爆発的な増加の関連性は明確です。